雨樋の各部名称と役割のザックリとした説明

雨樋と一括りに言われますと難しいですが、建築物の種類(木造・鉄骨・鉄筋コンクリート)や規模や古くからあるものや最新の物や製造メーカーなどでも呼び名も同じものでも違った呼び方をするものなどもありますから・・・ 上階部分の方から下の方に向かい文章で出来るだけ説明していきます。(2階建て木造住宅を基準にして) 軒樋→軒先から落ちる、流れてくる雨水や露を、受け止め呼び樋又は、立樋まで導く水平樋部材です。この軒樋によくあるのトラブルが、落ち葉などのゴミがたまり途中からの雨水の溢れです。 ゴミを防ぐ網状の物もありますが、冬になる前に取り外さないと行けなくなるのであまり進められていません。それと、そのごみが立樋に詰まる事が多いです。それに冬場では、屋根よりずり下がってきた雪が軒樋に凍り付き樋を壊してしまうこともあります。 通常の雪止めでは、抑えきれず起こりますが、軒先に付けるタイプの落雪防止用の物があります。網状のL字型・三角型・網状丸型など見た目はあまりよくないですが寒冷地の落雪防止に役立ちますし、樋の破損も防げます。 木造の場合鼻隠しに水勾配100分の1位で取り付けられます。露出して取り付けられるタイプや鼻隠しの内側に隠し付ける内樋もあります。 鉄骨の建物に多い折板屋根の軒樋は大型雨樋で、鋼板タイプや塩化ビニールタイプや芯にスチールを入れた樹脂タイプなどがあり、部材は、大体共通している役物で平樋・曲がり(住宅寄棟など用)・伸縮継手・ジョイント(継手)・エキスパンション・水止め・ドレンなどがあり、形状は、半角型のＵ字と前側がせり上がっている前高タイプの2種類が主です。 (方勾配や中央で両側に振り分ける時もあります。屋根の仕様により異なります、また、形は、半円形の物と箱型があり部材も種類豊富で亜鉛鉄板・銅板・プラスチック製などがあります。) 吊り金物→破風板に取付して、軒樋を固定する物です。軒樋を一定の間隔で離します。 これにより軒樋の水勾配が決定します。(亜鉛鉄板・プラスチック製)などの種類があります。

又、折板タイプの屋根の場合には、屋根自体を折り曲げ加工(成型)してタイトフレ―ムで固定して、強度を出しているので、直接屋根の水下に専用の吊り金物で、軒先より内側に吊り上げて固定します。 排水は、折板屋根の凹凸の下がった部分の屋根をえぐり又は切り抜き樋に落とします。軒の長さが短い所は、壁付け(正面打ちタイプ)の物もあります。樋の形状は角タイプが一般的ですが、前がせり上がった前高タイプがあります。 呼び樋(飾りアンコウ・集水器)→軒樋より流れてくる雨水を、集める役割をします。寄棟や入母屋や方形屋根などは、2か所から1本の立樋に向け取付る事もあります。大体軒樋の端3~40ｃｍ当たり取付けます。(屋根種類により変わります。) 立樋→呼び樋に繋がります。呼び樋より流れる雨水を排水溝もしくは、排水管もしくは、樋うけ石もしくは、排水桝まで導く物になります。 だいたい、建物の角や足洗い場など角に縦向きに立っている丸い筒もしくは、四角い筒状の物です。大きめの建物などでは、ステンレス製の物もあります。 玄関など用の鎖樋と言う装飾樋もあります。これは、角枡に集めた雨水を鎖状に装飾されたものを伝わせて落とすものになります。素材は、ポリエチレン・塩化ビニル樹脂・金物・銅製の物などがあります。 こちらも冬場に排水が氷膨張し水が抜けなくなるトラブルが良くあります。対策としては、外部用の熱線ヒーターなどがあります。 合せ枡→呼び樋の場所で説明した、2箇所を1本にまとめる物で(繋ぐ位置が違う)上部より下がってきた立樋に、ベランダ排水・雨水などを、途中でつなぎ合わせ1本の樋に集合させる部材です。 角枡(飾り枡)→この部材は、壁際に呼び樋で寄せた部分を隠したりベランダ排水等の壁などの排水管出口を美しく見せる為に取り付ける装飾役物になります。 つかみ金物(立て樋受金物・でんでん)→立樋を受ける金物・プラスチック製の受けで、立て樋の方向又は建物からの距離を一定に保ち雨水の振動を受け止めるとともに樋を固定するものです。 建物角の外壁目地に添って固定されていることが多く、コーキング目地に立て樋受金物の固定は、行います。コーキング・コーキングハット・透湿防水シート・柱まで釘打ちの要領で打ち込み固定する打ち込みタイプの物と浅く止付けるトンボタイプがあり、 プラスチック製の受けの場合は、外装材に直接ビス止めで固定します。これには、訳があり外装材に傷をつけないようにする事と打ち込みの衝撃で破損するのを防ぐためです。でんでんと言う呼び名もありますが、こちらは形からでんでん太鼓に、似ていることから付けられたようです。 這い樋→これは、2階建て以上の屋根に取り付けますが、上階の立樋より雨水を屋根面に添って排水する場合に用います。(屋根形状により異なります。) 形状は、溝形及び筒形の物があります。 樋うけ石→プラスチック製や亜鉛鉄板の雨どいを水路又は、コンクリート取水枡まで伸ばして使用する事もありますが、破損などの危険性があるため、耐久性の高い御影石に溝加工をした物やコンクリート製の物で同じな役割を果たす、樋受石を用いる場合があるます。 こちらは、古い日本建築様式で用いることが多いようです。和風の建物やお寺・神社などです。 途中の説明で出てくる銅製品は、お寺さんや神社などの屋根で多く使われます。 屋根屋さんではないので、細かく正確に説明はできませんでしたがこんな感じです。